危険物一覧

消防法における危険物

消防法における危険物とは、消防法第2条第7項に「別表第1の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するもの」と定義されています。

 

別表第1(第2条、第10条、第11条の4関係)

類別 性質 品名 薬品の例
第1類 酸化性固体 1 塩素酸塩類 塩素酸ナトリウム・塩素酸カリウム・塩素酸アンモニウム・塩素酸バリウム・ 塩素酸カルシウム
2 過塩素酸塩類 過塩素酸ナトリウム・過塩素酸カリウム・過塩素酸バリウム・過塩素酸アンモニウム
3 無機過酸化物 過酸化リチウム・過酸化ナトリウム・過酸化カリウム・
過酸化ルビジウム・過酸化セシウム・過酸化マグネシウム・過酸化カルシウム・過酸化ストロンチウム・過酸化バリウム
4 亜塩素酸塩類 亜塩素酸ナトリウム・亜塩素酸カリウム・亜塩素酸銅・
亜塩素酸鉛
5 臭素酸塩類 臭素酸ナトリウム・臭素酸カリウム・臭素酸バリウム・
臭素酸バリウム
6 硝酸塩類 硝酸ナトリウム・硝酸カリウム・硝酸アンモニウム・
硝酸バリウム・硝酸銀
7 よう素酸塩類 よう素酸ナトリウム・ヨウ素酸カリウム・ヨウ素酸亜鉛・
ヨウ素酸カルシウム
8 過マンガン酸塩類 過マンガン酸ナトリウム・過マンガン酸アンモニウム・
過マンガン酸カリウム
9 重クロム酸塩類 重クロム酸アンモニウム・重クロム酸カリウム
10 その他のもので政令で定めるもの
  1. 過ヨウ素酸塩類:
    過ヨウ素酸リチウム・過ヨウ素酸ナトリウム・過ヨウ素酸カリウム
  2. 過ヨウ素酸
  3. クロム、鉛またはよう素の酸化物:
    クロム酸カリウム・酸化鉛・ヨウ素酸
  4. 亜硝酸塩類:
    亜硝酸ナトリウム・亜硝酸カリウム・亜硝酸銀
  5. 次亜塩素酸塩類:次亜塩素酸ナトリウム
  6. 塩素化イソシアヌル酸
  7. ぺルオキソ二硫酸塩類:
    ぺルオキソ二硫酸ナトリウム・ぺルオキソ二硫酸カリウム・ぺルオキソ二硫酸アンモニウム
  8. ペルオキソほう酸塩類:ペルオキソほう酸ナトリウム
11 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第2類 可燃性固体 1 硫化りん 三硫化りん・五硫化りん・七硫化りん
2 赤りん
3 硫黄
4 鉄粉
5 金属粉 アルミニウム粉・亜鉛粉
6 マグネシウム
7 その他のもので政令で定めるもの
8 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
9 引火性固体 固形アルコール・ラッカーパテ・ゴムのり
※ 小ガス炎着火試験において10秒以内に着火し、かつ燃焼を継続すること。
第3類 自然発火性物質及び禁水性物質 1 カリウム
2 ナトリウム
3 アルキルアルミニウム トリメチルアルミニウム・トリエチルアルミニウム
4 アルキルリチウム エチルリチウム
5 黄りん
6 アルカリ金属(カリウム及びナトリウムを除く)及びアルカリ土類金属 リチウム・カルシウム・バリウム・セシウム・ルビジウム
7 有機金属化合物(アルキルアルミニウム及びアルキルリチウムを除く。) ジエチル亜鉛・トリエチルガリウム
8 金属の水素化物 水素酸リチウム・水素化ナトリウム・水素化カルシウム
9 金属のりん化物 りん化カルシウム
10 カルシウムまたはアルミニウムの炭化物 炭化カルシウム・炭化アルミニウム
11 その他のもので政令で定めるもの(塩素化ケイ素化合物) トリクロロシラン
12 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第4類 引火性液体 1 特殊引火物 ジエチルエーテル・二硫化炭素・アセトアルデヒド・
酸化プロピレン
2 第1石油類
非水溶性液体 ガソリン・ベンゼン・トルエン・ヘキサン・メチルエチルケトン・酢酸エチル
水溶性液体 アセトン・ピリジン・アセト二トリル・
ジエチルアミン
3 アルコール類 メチルアルコール・メタノール・エタノール・プロパノール
4 第2石油類
非水溶性液体 灯油・軽油・キシレン
水溶性液体 酢酸・プロピオン酸・ギ酸イソアミル
5 第3石油類
非水溶性液体 重油・クレゾール・アニリン・ニトロベンゼン
水溶性液体 エチレングリコール・グリセリン・酪酸
6 第4石油類 ギヤー油・シリンダー油・タービン油・可塑剤
7 動植物油類 ヤシ油・パーム油・オリーブ油・ヒマシ油・落花生油・
ナタネ油・米ぬか油・ゴマ油・綿実油・トウモロコシ油・
ニシン油・大豆油・ヒマワリ油・キシ油・イワシ油・
アマニ油・エノ油
第5類 自己反応性物質 1 有機過酸化物 過酸化ベンゾイル・メチルエチルケトンパーオキサイド
2 硝酸エステル 硝酸メチル・硝酸エチル・硝酸イソプロピル・硝酸イソブチル・ニトログリセリン・ニトロセルロース
3 ニトロ化合物 トリニトロトルエン・ピクリン酸・ニトロメタン
4 ニトロソ化合物 ジニトロソペンタメチレンテトラミン
5 アゾ化合物 アゾビスイソブチロニトリル・アゾベンゼン
6 ジアゾ化合物 ジアゾジニトロフェノール・ジアゾアミノベンゼン・
ジアゾ酢酸エチル
7 ヒドラジンの誘導体 硫酸ヒドラジニウム(硫酸ヒドラジン)・フェニルヒドラジン
8 ヒドロキシルアミン
9 ヒドロキシルアミン塩類 塩化ヒドロキシアンモニウム
10 その他のもので政令で定めるもの
  1. 金属のアジ化物:アジ化ナトリウム
  2. 硝酸グアニジン
  3. 1‐アリルオキシ‐2,3‐エポキシプロパン
  4. 4-メチリデンオキセタン‐2‐オン
11 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第6類 酸化性液体 1 過塩素酸
2 過酸化水素
3 硝酸
4 その他のもので政令で定めるもの(ハロゲン間化合物) フッ化塩素・三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素
5 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの

 

危険物の性質の概要

類別 性質 性質の概要
第1類 酸化性固体 そのもの自体は燃焼しないが,他の物質を強く酸化させる性質を有する固体であり 可燃物と混合したとき,熱,衝撃,摩擦によって分解し,極めて激しい燃焼を起こさせる。
第2類 可燃性固体 火炎によって着火しやすい固体又は比較的低温(40℃未満)で引火しやすい固体であり,出火しやすく かつ,燃焼が速く消火することが困難である。
第3類 自然発火性物質及び禁水性物質 空気にさらされることにより自然に発火し,又は水と接触して発火し若しくは可燃性ガスを発生する。
第4類 引火性液体 液体であって引火性を有する。

特殊引火物 発火点が100℃以下のもの又は引火点が-20℃以下で沸点が40℃以下のもの
第1石油類 引火点が21℃未満のもの
アルコール類 1分子を構成する炭素の原子の数が1個から3個までの飽和一価アルコール(変性アルコールを含む)
第2石油類 引火点が21℃以上70℃未満のもの
第3石油類 引火点が70℃以上200℃未満のもの
第4石油類 引火点が200℃以上250℃未満のもの
動植物油類 引火点が250℃未満のもの
引火点: その液体が空気中で点火したときに燃えだすのに十分な濃度の蒸気を液面上に発生する最低の液温。
発火点: 空気中で可燃性物質を加温した場合、これに火炎あるいは火花などを近づけなくとも発火、燃焼を開始する最低の温度。
第5類 自己反応性物質 固体又は液体であって,加熱分解などにより,比較的低い温度で多量の熱を発生し,又は爆発的に反応が進行する。
第6類 酸化性液体 そのもの自体は燃焼しない液体であるが,混在する他の可燃物の燃焼を促進する性質を有する。

 

注)

 

指定数量

危険物を貯蔵したり取り扱ったりする施設では、扱う危険物の量によって設備や検査の基準が異なります。(たくさん扱うところほど厳しくなる)しかし、危険性の高い危険物もあれば、低めのものもあるので、危険物の量(危険性)の基準として、「指定数量」が決められています。その値は、危険性の高い危険物は少なく(少なくても危険が高い)、危険性の低い危険物は多くなっています。

指定数量(単位はリットルやkg)の何倍の量の危険物があるのか(倍数:「指定数量の3倍」というように表される)によって、設備の基準は変わってきます。

 

危険物の規制に関する政令 別表第3(第1条の11関係)

種別 品名 性質 指定数量
第1類 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機酸化物 第1種酸化性固体 50kg
第2種酸化性固体 300kg
第3種酸化性固体 1,000kg
第2類 硫化りん 100kg
赤りん 100kg
硫黄 100kg
第1種可燃性固体 100kg
鉄粉 500kg
第2種可燃性固体 500kg
引火性固体 固形アルコール、ラッカーパテ、ゴムのり等 1,000kg
第3類 カリウム 10kg
ナトリウム 10kg
アルキルアルミニウム 10kg
アルキルリチウム 10kg
第1種自然発火性物質及び禁水性物質 10kg
黄りん 20kg
第2種自然発火性物質及び禁水性物質 50kg
第3種自然発火性物質及び禁水性物質 300kg
第4類 特殊引火物 エーテル、アセトアルデヒド等 50ℓ
第1石油類 非水溶性液体:ガソリン、ベンゼン等 200ℓ
水溶性液体:アセトン、ピリジン等 400ℓ
アルコール類 メタノール、エタノール等 400ℓ
第2石油類 非水溶性液体:灯油、軽油、キシレン等 1,000ℓ
水溶性液体:酢酸等 2,000ℓ
第3石油類 非水溶性液体:重油、ニトロベンゼン等 2,000ℓ
水溶性液体:グリセリン、エチレングリコール等 4,000ℓ
第4石油類 ギヤー油、シリンダー油等 6,000ℓ
動植物油類 ヤシ油、ナタネ油、アマニ油、エノ油等 10,000ℓ
第5類 第1種自己反応性物質 過酸化ベンゾイル、硝酸エステル類等 10kg
第2種自己反応性物質 100kg
第6類 第6類のものすべて 過塩素酸、過酸化水素、硝酸等 300kg

 

お知らせ

2024.10.22| 【お知らせ】廃棄試薬の回収遅延について

2024.09.04| 令和6年8月29日(金)電子マニフェスト勉強会を開催しました。

2024.08.23 | 【再掲・追記】試薬・高圧ガスの全数登録及び棚卸について(依頼)/Registration and Inventory of All Reagents and High-Pressure Gas Cylinders (Request)

2024.07.12| 【再掲】英語版 筑波大学廃棄物取扱いの手引き(2024.5月版)及び筑波大学の実験系廃棄物分別収集早見表(2024.5月版)について/[notice]Waste Management Guidelines(University of Tsukuba) (May 2024)、&Flow Chart for Sorting Laboratory Wastes at University of Tsukuba(May 2024)

2024.07.02| 【見逃し配信】学生の皆さんが安心して化学実験を行うための研修会/Seminar for students to use chemicals in experiments safely 2024

2024.07.02| 令和6年度学生の皆さんが安心して化学実験を行うための研修会を開催しました。 (6/24)

2024.05.22 | 「筑波⼤学における化学物質を取り扱う際の保護具着⽤⽅針」を掲載しました。

2024.04.25| 【再掲】作業主任者等の追加・変更について(依頼)

2024.04.24| 【本日開催】学生の皆さんが安心して化学実験を行うための研修会を6月24日(月)に開催します

2024.04.22| 退職教員の試薬置き去り防止の取り組みについて(協力依頼)

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